若狭塗は「塗る → 模様を埋める → 塗り重ねる → 研ぎ出す」
という工程を繰り返すことで、海底のような奥行きのある模様が生まれます。
1. 下地付け(地付け・錆付け)
まず木地の表面を整え、漆の下地を作ります。
生漆に「地の粉」(焼いた粘土の粉)とのりを混ぜたものを塗り、表面を平らにします。
さらに砥の粉を混ぜた錆漆を塗り、強度のある下地を作ります。
2. 中塗り
下地を研いで整えた後、模様付けの漆が下地に吸い込まれないように中塗りを行います。
ここで漆の層を作り、次の工程の土台を整えます。
3. 模様付け
若狭塗の特徴となる模様を作る工程です。
卵殻、貝殻、松葉、菜種などの素材を使い、職人が一つひとつ配置して模様を描いていきます。
4. 合塗り
模様の上から色漆を何層も塗り重ねます。
複数の色を重ねることで、若狭塗特有の深い色合いと奥行きが生まれます。
5. 塗り込み
さらに漆を塗り重ねて厚みを作り、丈夫な漆層を形成します。
この層があることで、後の研ぎ出しによって美しい模様が現れます。
6. 石研ぎ
荒砥石・中砥石・仕上げ砥石を使い、表面を研いでいきます。
漆の奥に埋め込まれた模様が現れるまで丁寧に研ぐ、若狭塗独特の工程です。
7. 炭研ぎ
石研ぎの後、炭を使ってさらに細かく研ぎ、表面を滑らかに整えます。
ここで漆器の艶が生まれます。 若狭塗りについて
8. 磨き(仕上げ)
砥の粉と菜種油を混ぜたものなどを使い、布や手で丁寧に磨き上げます。
最後に生漆や弁柄を使って磨き、深い艶を持つ仕上がりになります。